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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2016年06月23日開催 

第71 回 DiTT勉強会のご報告-川瀬徹氏・佐々木雅弘氏-

2016年6月23日、赤坂シュビアホワイエルームにて、第71回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は川瀬 徹氏(東京書籍株式会社 ICT事業本部営業部部長)と、佐々木 雅弘氏(株式会社ベネッセコーポレーション 初等中等教育事業本部 小中学校商品開発部 教育システム開発課 課長)にご登壇頂きました。川瀬 徹氏には、「東京書籍が提案するデジタル教科書~指導者用、学習者用、そしてデジタル教材~」というテーマで、佐々木 雅弘氏には「ICTを通した『指導と学びの変容の可視化』へのアプローチ」というテーマでお話を頂きました。
以下は、発言要旨となります。

-川瀬 徹氏 ご講演要旨-

東京書籍が提案するデジタル教科書について、お話いただいた。
現行の指導者用デジタル教科書はWindowsで、学習者用デジタル教材はHTML5で作成しているので、デバイスを問わず使うことができ、特別支援教育用EPUB3データは、無償で提供している。
特に指導者用デジタル教科書には、プラネタリウムさながらの動画を駆使した理科の教材など、さまざまな工夫をこらしている。
また、学習者用デジタル教科書はタブレットを通じて、児童の考えがよくわかるため、先生が指導する際のストーリーが組み立てやすくなるなど、先生側のメリットもある。
先日、デジタル教科書の位置づけに関する検討会議において中間とりまとめが報告されたが、その方針として、デジタル教科書の内容は、紙の教科書と同一とするということが提示されたことを受け、来年度の東京書籍の高校デジタル教科書は、指導者用にはリッチコンテンツ、学習者用デジタル教科書には、ベーシックコンテンツでEPUB3を採用、そして学習者用デジタル教材を別売する3パターンのラインナップを用意している。
学習者用デジタル教科書は、EPBU3を使って、書体の選択や文字色と背景色の設定、2種類のコンテンツを同時表示、また自動読み上げ機能や読み上げの速さも調整可能になっているなど、特に特別支援教育への配慮もなされたコンテンツとなっている。
デジタル教科書とデジタル教材の関連付けについては、同じ棚に置くだけでは不十分なので、「学習要素リスト」を使い、デジタル教科書とデジタル教材の紐付けを検討中で、ICT Connect21で規格作り、JAPET&CECで実証実験を行っているところである。その他の新しい技術であるA Readerや教科書AR(教科書そのもののページをマーカにしたもの)などを紹介いただいた。

-佐々木 雅弘氏 ご講演要旨-

ベネッセの小中学校の領域のICT事業は、「ミライシード」「学習探検ナビ」「ICTサポート」と3つあり、本日は「ミライシード」に関してお話し頂いた。
2014年度より小中学校に対して提供しているタブレット学習専用ソフトで、昨年度は450校弱使用し、今年度は新たに300校を超える勢いである。
近年、タブレットのPCの整備により、ICT活用の場面がPC教室から普通教室に行こうしてきている、そこでミライシードはこれまでの高機能・多機能なICTという概念から脱却して、シンプルでどんな先生方も使えるICTを目指し、「一斉」「協働」「個別」それぞれの学習シーンにおける子どもたちの主体的な学びとその指導を支援。また、学習履歴管理の領域については、ソフトバンクとベネッセの合弁子会社である「Classi」とデータ提携を行い、指導と評価の一体化をさらに促進させている。
本日は、協働学習で使われている「ムーブノート」アプリを使用し実演して頂いた。 そこでは、おのおのの意見を見合うことによって、多様な意見に触れ合い、またその意見を瞬時に並べ替えたり、集約したりできる指導支援の機能を組み合わせることで、学級全体での意見を深められることもできるということがわかった。 今後の課題として、ICT活用を通して育成を求めらている、21世紀型スキルは紙で測ることが容易ではない領域であると考え、独自に「21世紀型スキルルーブリック」を策定し、そのうえでそうした学力を育成する「指導フレーム」を地方自治体とベネッセ教育総合研究所とで共同開発中である。また、新たな領域として、「ICT教育を通した指導の質的変容」を抽出し、教員の指導力向上を実証する、「タブレットPCを用いた成果作り事業を支援していこうと考えている。


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