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2015年教育情報化提言

2015年6月 デジタル教科書教材協議会

DiTT提言2015 教育情報化推進法の制定を

 工業社会から情報社会への移行に伴い、21世紀型能力を育てる教育モデルが世界的に求められている。一斉に知識を授ける、受けるという教育スタイルから、自ら知識を獲得し、共有し、創出して、問題を解決する学習スタイルへ。これを実現するICT環境の整備は喫緊の課題だ。
 良質な教材が豊富にあり、誰もがいつでもどこでも、わくわくする21世紀型の学びができるようにしたい。多様な考えを共有し、高め、深めて、創造できるようにしたい。学びの足跡を記録し、解析し、学びのプロセスを改善したい。

 これに向けDiTTが2010年に掲げた「1人1台の情報端末、教室無線LAN、全教科のデジタル教科書」というデバイス、ネットワーク、コンテンツの3目標は、今や国が進めるべき課題として共有されている。しかし、道は険しい。デジタル教科書を正規教科書にする制度は2012年4月に提言したが、今般、政府において検討が始まるまでに3年を要している。

 事態は激変している。この数年で「マルチデバイス、クラウドネットワーク、ソーシャルメディア」からなる「スマート化」が急速に進展した。そして、情報化はさらに次のステージに突入しつつある。「ウェアラブルコンピューティング、IoT(モノの情報化)/ロボティクス、インテリジェント」など、「脱スマート」とも呼ぶべき進化を見せようとしている。これが学習・教育にどのような未来を与えるのか、展望と分析が必要だが、日本がまたしても遅れを取らないよう準備すべきであろう。

 まずは、教育もスマート化に対応することが必須である。社会経済のICT環境に適応した学習・教育環境を整えつつ、その次に来る情報化の波に備えたい。  デジタル教科書の正規化から未来の教育の研究に至る総合的な措置が必要である。これを実現するための「教育情報化推進法」を制定することを求める。

1 デジタル教科書正規化

 まずは「1人1台の情報端末、教室無線LAN、全教科のデジタル教科書」を整備する。取り分け、デジタル教科書の正規化には、検定制度との整合、著作権の処理といった課題をクリアし、学校教育法など関連3法を改正しなければならない。端末やネットワークの整備、システム標準化等も重要な課題だ。
 DiTTは2012年4月にこの制度整備を提言し、試案「デジタル教科書法案」を策定した。これを下敷きに制度を構築すればよい。
http://121.119.176.71/office/DiTThouan_gaiyo_ver2.pdf

2 クラウド、ソーシャル、ビッグデータ

 いずれ情報端末は、1台あれば全教材を納め、自由に使える「デジタルランドセル」になるだろう。みんながめいめいのデジタルランドセルを使っても、同じように学習ができる。どこにいても、どんな教材も不自由なく使える。世界のさまざまな教材が入手できる。全国の先生が自作の教材を共有できる。
 そのためには、教育環境をクラウド化する必要がある。十全な有線・無線のインフラを整備するとともに、セキュリティ対策を整え、全ての子どもがクラウドネットワークで学べるようにすべきだ。
 サービス層では、コンテンツと並んで教育SNSのようなソーシャルメディアの位置づけが高まっている。学校教育でも、先生と生徒、生徒同士の教え合い・学び合いに有益であり、情報モラルの育成に配慮をすれば、学校と地域、家庭との情報共有にも欠かせまい。
 学習・教育の生むビッグデータを活用することも重要となる。社会経済の各般で、ビッグデータを活用して、サービスの開発・向上が図られている。教育メソッドや教材もしかり。全国の教室や家庭学習が発信するデータを、個人情報を守りつつ有効に活用できるようにすべきである。
 法律には、これらの措置も盛り込むべきである。


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