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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2016年02月18日開催 

第67回 DiTT勉強会のご報告-浮川和宣氏・守屋文彦氏・利光清氏-

2016年2月18日、山王健保会館2階会議室にて、第67回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催致しました。今回は浮川和宣氏(株式会Meta MoJi 代表取締役社長)と、守屋文彦氏(東芝情報機器株式会社 開発営業第二統括部 部長)、利光清氏(株式会社東芝 技術マーケティング統括部新市場開拓部 クラウド&スマートデバイス担当グループ長)にご登壇頂きました。浮川和宣氏には「MetaMoJiが考える先進的授業支援アプリとは、事例を交えてご紹介」というテーマで、守屋文彦氏、利光清氏には「東芝の教育ICTソリューションご紹介 -近距離高速無線転送技術TranferJetの教育ICTでの活用-」というテーマで、お話し頂きました。
以下は、発言要旨となります。

-浮川 和宣氏 ご講演要旨-

株式会社MetaMoJiが提供する授業支援アプリのコンセプトを中心に、実演を交えながら、製品・サービス開発への思いについてご講演いただいた。
浮川氏は日本語ワープロソフト「一太郎」、日本語入力システム「ATOK」の開発者でもあり、日本のみならず、全世界の人たちにより良い新しいIT環境を提供したいという思いから6年前に株式会社MetaMoJiを創業した。授業支援アプリの実演では、MetaMoJiの開発拠点でもある徳島と遠隔で会話をしながら1枚のスライドに同時に書き込む様子、撮影した写真をスライドに貼り付ける機能を紹介いただいた。Windows、Android、iOSのあらゆるタブレット端末でも同じように、手書きしたデータが各端末にリアルタイムに反映され、、タッチパネルにも対応している。MetaMoJiの授業支援アプリは、子どもの成長や授業内容に合わせたシンプルなノート機能から、協働学習まで幅広く対応できる授業支援ソフトウェアを目指している。
自身の経験からすると、昔は家庭よりも学校の方が新しいものがたくさん置いてあるというイメージだった。しかし、現代は家電製品が発達したことに比べて、学校は昔と変わらず今の子どもたちにとっては劣って見えてしまうのではないか。例えば、学校で海外の学校とつながり、実際に英語を使うことができる場所・環境があれば、子どもたちにとっては将来につながるような体験をすることができる。そのような体験も特別な機械が必要なわけじゃなく、アプリや携帯端末で可能になる。技術を使って学校で未来的な体験をこどもたちに与えたい。そのためにコンセプトだけに留まるのではでなく、実際に実現できる環境づくりをしたいとお話いただいた。

-守屋 文彦氏 ・ 利光 清氏 ご講演要旨-

始めに守屋氏からは「東芝の教育ICTの取り組み」についてお話を頂いた。現在教育ICTの普及が期待されている中、その一方で阻害要因が存在する教育現場の現状をお話しの上、従来の授業スタイルを継承したシンプルで導入しやすいICTソリューションを提案すると述べられた。この提案の心がけている内容として、スムーズなICT化、シンプルな操作、低コストでのシステム導入、ワンストップサポートこの四つを取り上げられその提案に基づかれた製品紹介をされた。ご紹介された製品は、dybabook Tab S80 10.1型 :最も普及されているタイプで主に小中の学校で使用されている。daynabook R82 12.5型:ノートPCとして十分に使える基本性能を持ちながら軽量な製品のため、PC教室の置き換えのニーズまた中高の学校で主に使用されている。これらをご紹介頂いた後、新しい商品であるdynaPad S92 12.0型を詳細にご紹介された。これは世界最軽量579gの手書きタブレットで大きさとしてはB5ノートサイズに近く、一般的に使用されているノートと同サイズになっており、また紙のノートのように書きやすいというこだわりを持った製品であるとご紹介された。それを実現するためにアクティブ静電結合方式ペンが採用され、またタブレット画面の特殊コーティングといった工夫も取り入れたことによって、紙と同じ摩擦係数を実現しているというこだわりをご説明頂いた。上記の製品を提案するにあたり併せて標準に搭載されているものとして、「書く、見る、考えをまとめる、をサポートするTruNoteシリーズ」をご紹介された。これは教育だけに限らず知的生産性を高めるツールとして提供しているというご説明を頂いた上、計五つのアプリの機能とその機能によりどのように教育現場で活用できるか、実際の事例を合わせて述べられた。またオリジナルで開発されているICT関連ソフトウェアdynaSchoolシリーズも併せてご紹介された。こちらもシンプルかつ低コストで使いやすさ、分かりやすさを重視していると述べられた。シリーズは次のものがあり、授業支援ソフトdynaSchool Support、環境復元ソフトdynaSchool Recovery、学校向けデジタルノートアプリdynaSchoolデジタルノート@クリエイターズ、これらを機能と共にご紹介された。

次に利光氏からは「近距離高速無線転送技術TransferJetの教育ICTでの活用」についてお話を頂いた。教育ICTを導入するにあたって「タブレットを導入したいけれどタブレットに教材を転送する方法がわからない」「無線を使って教材を転送したいけれど部外者にデータが漏れそうで心配」「無線LANを導入したいけれど設定やメンテナンスが難しい。思ったほど速度が出なくて、転送に時間がかかる」というこのような問題要因をTransferJetは解決すると述べられた。概要を説明される際に、利光氏はTransferJetを一言で「Suicaのような使い勝手で、Suicaの約千倍速い」と表現し、大容量のデータを簡単に機器同士でやりとりができる無線技術と概要のご説明を頂いた。通信距離は3cmで通信速度は最大375Mbpsで大体1秒間に40MB位のデータが無線で送れる速度とご説明された。2017年新しい規格が完了した際には1秒間に1GBの無線データ転送が実現される予定だと続けた。またTransferJetのチップだけではなく既存のデバイスに装着してTransferJetの機能が使えるアダプター(アクセサリー)を用意されているというご説明後、TransferJetのデモンストレーションを行って頂いた。内容としては、TransferJet機能を搭載されていないiPhoneにアダプターを装着しパソコンに近づけてiPhone内の画像(約1.3MB)を送信するといったもので、機器同士を近づけるだけで、一瞬で送れる様子を実演された。また画像だけではなく重い動画データ(約150MB)での実演も行なわれた。その後教育ICTでの活用例をご提案された。まず一つ目は無線環境のない場所(整備されていない教室や校庭、体育館など)でも、先生と生徒の間で手渡し感覚のデータのやり取り。その際小さな容量であればワンタッチでの送信を実現でき、無線通信といっても、電波が飛ぶのは目の前の数cmであるため安心して無線通信を教育現場に取り入れられることを強調された。続けて二つ目としてパソコンとタブレット間のデータ転送、三つ目としてデジカメからパソコンへのデータ転送を提案された。また、最後にコンテンツ保護技術SeeQVaultTM対応SDメモリカードの教育ICTでの活用も提案された。


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