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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2016年01月21日開催 

第66回 DiTT勉強会のご報告-萩原佳之氏・沢田裕司氏-

2016年1月21日、山王健保会館2階会議室にて、第66回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催致しました。今回は萩原佳之氏(グローバルグラフィックス株式会社 代表取締役 兼 Global Graphics Software Ltd.ニュービジネスデベロップメント 副社長)と、沢田裕司氏(シャープ株式会社 コンシューマエレクトロニクスカンパニー健康・環境システム事業本部 ネットワークソリューション推進部 参事)にご登壇頂きました。萩原佳之氏には、「印刷と電子ドキュメントのエキスパートが作るデジタル教科書」というテーマで、沢田裕司氏には「デジタル教材に対応するシャープの取り組み〜佐賀県実証研究、STUDYFITなど〜」というテーマで、お話し頂きました。
以下は、発言要旨となります。

-萩原 佳之氏 ご講演要旨-

Global Graphics Software Ltd.は1996年に設立されHarlequin RIP (Raster image processor)とJaws RIP、IKARUS/フォントを持っていた企業を傘下に収め、日本法人は2003年に設立されたとご紹介された。その上で近年、市場要望の一部が紙への印刷から電子ドキュメントに移っていることを考察され、電子ドキュメントに対するコアソフトウェアの開発に取り組んでいると述べられた。Jaws、eDocument Library、gDocというブランドでソフトウエアを開発し、日本だけでも今までに500万ライセンス以上の電子ドキュメント関連ソフトウエアのライセンス実績があると述べられた。そして電子ドキュメントと印刷のコアソフトウェアを開発しているというご紹介からビジネスモデルを述べられた。次にデジタル教科書の課題をいくつか挙げられた。述べられた課題とは次の通りで、教科書作成の簡易化、操作の単純化、表示の一貫性、国際標準形式との互換性、長期保存形式(PDF/A)対応、クラウドからのリリース、バージョン管理、グローバル言語対応、教科ごとの専門書式への対応、DTPアプリからの取り込み、CAD図面のベクター表示対応、音声・動画の取り込み、ハイパーリンク、モバイル対応、編集対応、高品質印刷、カラーマネジメントへの対応、透明レイヤー・グラデーションサポート、ドキュメントの一括管理、セキュリティ、アクセシビリティ、データサイズのコンパクト化、著作権管理とした。これらの課題にどのように対応できるかを、gDoc Binderの機能説明とデモンストレーションをまじえ紹介された。まずはgDoc電子ドキュメントについて、gDoc CoreというマルチプラットフォームをベースにgDoc Application PlatformとgDoc Printer Platformの二つが存在することを技術レイヤーの説明で述べられた。次にgDocのフローについてご紹介された。その他に日本で実績の高いgDoc PDF Creator、またgDocアプリの事例をご紹介された後、gDoc Binderの機能を、デジタル教科書の課題で述べた内容がどのように解決されるのかデモンストレーションをまじえて詳細にご紹介頂いた。

-沢田 裕司氏 ご講演要旨-

まずシャープの文教の取り組みとして教育支援ソフトウェアのSTUDY SERIESをご紹介された。その中で日本標準様と共同で作ったSTUDY FITという新しい学習システムを取り上げ、個別学習システムへの取り組みの議題へと移った。その際にはじめに教育現場でタブレットの普及がなかなか進まない実情を、①教材の信頼性、②ネットワーク環境、③先生への負荷、④通常授業への影響という四つの視点から考察され、先生の負荷が少なく簡単に使え、そしてICT未導入の学校でも導入しやすいという部分をポイントに開発されたのがSTUDY FITであると提示された。STUDYFITとはタブレットPC用個別学習システムであり、ドリル教材の役目を果たす。その主なターゲットはこれからの教育のICT化を推進する自治体・学校としていると述べられた。このシステムは児童用アプリと教員用アプリの二種類に分かれている。STUDYFITの特徴は、①学校現場で実績のある日本標準様と共同で取り組み一緒に教材を開発していること。②学習履歴・解答の送信のみに通信を利用する工夫をしたことでネットワークトラブルが少ないこと。③自動採点機能の搭載によって先生に負荷をかけないこと。④すきま時間での学習が可能な設計により授業時間割に影響を与えないこと。⑤診断テストを搭載し児童の学力分析を行えることで児童の弱点を日々の学習で克服出来る工夫がこなされていること。これらを特徴として挙げられた。このシステムを使い、佐賀県多久市3小学校での実証結果を述べられた。さらに佐賀県武雄市青陵中学校の取り組みとして、英語の学習に焦点を当てSTUDYFITのシステムを利用した実証結果を述べられた。最後にデジタル教科書への取り組みとして、大学生協様との取り組みをご紹介頂いた。こちらは大学の講義などで専門的な学習機能を実現するため開発された専門書学習ビューアを取り上げ、特徴をご説明頂いた。主な特徴として、①学んだことを電子教科書に集約。②電子書籍のメリットをフルに活用。これら二つを核に詳細な機能をご紹介された。


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