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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2015年02月13日開催 

第55回 DiTT勉強会のご報告-木村寛明氏・藤川大祐氏・小川愛氏-

2015年2月13日、山王健保会館2階会議室にて、第55回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は木村 寛明氏(株式会社KDDI研究所 マルティメディア部民 メディア開発グループ グループリーダー)と、藤川 大祐氏(千葉大学教育学部 教授)、小川 愛氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 社会貢献 部長)にご登壇頂きました。木村 寛明氏には、「KDDIの教育分野の取組みご紹介」というテーマで、藤川 大祐氏と小川 愛氏には「ビッグデータの活用をテーマにした数学の授業プログラム」というテーマでお話を頂きました。  
以下は、発言要旨となります。

-木村 寛明氏 ご講演要旨-

欧州委員会が2013年に報告している学習評価に関したICT技術トレンドの内容を参考とし、KDDIの教育分野の取組みをご紹介いただいた。
まず、コンピュータベース評価(CBA)に関した技術として、算数ドリルアプリの学習履歴活用の検証を横浜市立白幡小学校にて行った。さらに、多くの問題を解かなくても正確に単元毎の学習診断を可能とする理解度推定技術を開発し、福岡市立賀茂小学校において児童の理解度に応じた学習の効果に関した実証研究を行っている。
また、今後の教育分野のICT技術トレンドとしてグループ作業やチームワークを学ぶオンラインコラボレーション環境が必要とされており、KDDIはEdmodoという学校向けのクローズドソーシャルラーニングサービスと連携することとした。
Edmodoとは、小学校入学から高校卒業までを対象に、教員・生徒・保護者を含めたコミュニケーション・学習コンテンツの共有・共同作業等が安心・安全な環境で行うことができるクラウド型サービスである。2015年2月時点、世界で4700万人以上の教員・生徒が利用している。福岡市の実証研究でもEdmodoを活用している。 今後は、Learning Analyticsのような学習履歴解析技術を効果的に活用し学習状況の可視化・診断を早期・正確に行うとともに、Edmodoのような安全に利用できるソーシャルネットワークサービスを利用し、学習者のエンゲージメントを高めていくことが求められていると感じている。 KDDIはこれらの取組みを進め、子供達が安心して教えあったり学びあったりして成長できるような、主体的な学習が進めやすい環境の提供を目指したいと考えている。
 

-藤川 大祐氏・小川 愛氏 ご講演要旨-

日本アイ・ビー・エム小川氏より、企業CSRの一環である教育支援として「数学が分かると未来が見える!-社会の中のデータ活用」の開発に取り組んだ背景を紹介いただいた。
2013年12月よりNPO法人企業教育研究会と共同で開発開始、数学教育関係者へのヒアリングを経て、2014年11月に発売したこの授業プログラムは、データサイエンティストという職種に興味をもってもらうために開発したものである。
続いて、企業教育研究会の藤川氏より、授業内容について紹介。
本プログラムは、教育方法ではなく、教育内容を変えるという発想からスタートしたもので、①データの規模を数万件程度とする、②「未来の学校の選挙予測」を扱う、③デジタル教材を扱い、ゲストスピーカーを招くことなどを開発方針としている。
ここで紹介するデジタル教材は、全校生徒35000人の学校を舞台とし、生徒は新聞部の部員という立場で、部長からあたえられた選挙予測報道に関するミッションに向かわせるストーリーとなっており、複雑な内容でもストーリー性のある教材によってより理解しやすい内容となっている。
事後のアンケートの結果からも、生徒たちが、データを扱い、分析し将来を予測する面白さを発見し、社会とつながる数字が学習への関心を高めることにつながったことが伺えた。
 


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