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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2015年01月20日開催 

第54回 DiTT勉強会のご報告-中村孝一氏・杉山広幸氏-

2015年1月20日、山王健保会館2階会議室にて、第54回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は中村 孝一氏(NPO法人eboard 代表理事)と、杉山 広幸氏(NTTソフトウェア株式会社 メディア事業部 主幹エンジニア)にご登壇頂きました。中村 孝一氏には、「オンライン教育で実現する学び直し NPO法人eboardの取組み」というテーマで、杉山 広幸氏には「聴覚障害者向け支援ツール「こえみる」のご紹介」というテーマでお話を頂きました。  
以下は、発言要旨となります。

-中村 孝一氏 ご講演要旨-

NPO法人として、自分たちが取り組んでいる社会課題とそれに対してデジタル教材を使ってどのように課題を解決できるか自分たちの事業を中心に話しをしていきたいと思う。
eboardとしては3つの課題をかがげている。
1.子どもの貧困
2.不登校・中退
3.人口減少
これらを現場の先生や教育に携わる方々と解決していきたいと思っている。
まず、貧困な家庭環境は現在6人に1人いる、また貧困と不登校・中退は相対的な関係になっている傾向がある。 そこで学びをあきらめない社会を実現するために、以下のような価値を提供をしたいと思っている。
1、いつでも、どこでも、アクセスできる学習環境
2、自主的・自律的な「学び」(⇔教えてもらう「学び」)
3、子ども達の学びを「あきらめない大人」を支援する
また、小学校学習指導要領のあるべき学力として、基礎学力、21世紀型スキル、 学習意欲のうち、eboard基礎学力の定着と学習意欲の向上をねらいとしている。
そして、人口減少で年間500校が廃校になっている、統廃校のメリットとしては、学級内の 学力階層化の幅は広がるが、地域に学校がないと都市への移住が進み少子高齢化、人口減少は加速することになる。 そこで、ICTを利用し移住しなくても都市との差がない教育の場を提供したいと思い、大人が学びをあきらめない社会を実現してほしいと願っている。
 

-杉山 広幸氏 ご講演要旨-

NTT研究所の音声認識技術を活用した、聴覚障害者児童生徒の授業支援を行うツールである「こえみる」をご紹介いただいた。
特徴として、先生の発話をリアルタイムに表示、精度の高い音声認識力、過去の発言内容を振り返り活用することが可能である。 先生はマイクを使い、手話などを使って授業を進める中で、生徒たちは手話と同時に先生の発話が文字となって表示されるため、より理解を深められる。
「こえみる」と使うと以下の効果が挙げられる。
・手話では伝えにくい言葉を伝えやすい
・授業の準備が軽減
・授業のテンポがよくなる
・授業の振り返りが簡単
導入に際しては、無償のトライアル期間を設け、実際の授業で使うことで利用可能であるかを評価の上、導入することができる。
文科省の「障害のある児童生徒の学習上の支援機器等教材開発」委託事業に継続して採択され、特別支援学校の小学部だけでなく中学部、高等部、また通常学級や特別支援学級などにまで活用いただけるように改善を進めていきたい。
さらに、既存の電子教材との連携を行うことにより、より有効な「こえみる」利用の可能性について検討を進めたいと考えている。
 


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