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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2014年09月11日開催 

第50回 DiTT勉強会のご報告-磯野奈緒美氏・佐川英美氏・苅宿俊文氏-

2014年9月11日、山王健保会館2階会議室にて、第50回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は磯野 奈緒美氏(Yahoo!きっず サービスマネージャー)佐川 英美氏(Yahoo!きっず コーポレート政策企画本部 ネットセーフティ企画室)と、苅宿 俊文氏(青山学院大学 社会情報学部 教授)にご登壇頂きました。磯野 奈緒美氏と佐川 英美氏には、「Yahoo!JAPANの子ども向けの取組み」というテーマで、苅宿 俊文氏には「生涯学習社会におけるデジタル教材の可能性を考える」というテーマでお話を頂きました。  
以下は、発言要旨となります。

-磯野 奈緒美氏・佐川 英美氏 ご講演要旨-


Yahoo!きっずは、Yahoo! JAPANの株式店頭公開に伴い1997年11月に「未来を担う子供たちにインターネットの楽しさを」をテーマに、 安心・安全にインターネットを楽しめることを第一に考えた、今年で17年目を迎える子ども向けのポータルサイトで、、インターネットの世界では老舗のサービスになっている。
現在、毎月平均すると、約400万UB(ユニークブラウザー)のアクセスがあるが、アクセスしているのが全て小学生であると仮定すると、日本にいる小学生全体の7割がアクセスをしていることになる。Yahoo!きっずは、多くの小学校で利用されている為、平日の学校で授業を行っている時間帯は学びの要素を中心に、放課後や休日は、遊びの要素を中心としたトップページの展開にするなど配慮を行っている。
サイトを運営する上では、以下の3つのポリシーを掲げている。
・「安心してインターネットを利用できる環境の提供」
・「良質な情報の提供」
・「子どもが表現や発表をする場所の提供」
サービスの一つである、「Yahoo!きっずボイス」では、ボイスを利用することによって、その時代のインターネットトレンドに合わせた情報発信、共有の体験・練習が出来る。今後、すべての子ども達がインターネットを上手に利活用し、世界を広げ、これからの自分の未来を切り開いていけるようになって欲しいと願っている。
次に、子ども達に対してYahoo! JAPANが取り組んでいることと、Yahoo!きっず検索から見えてくる子ども達の利用傾向や、リテラシーに関して感じることを話したいと思う。
Yahoo!きっず検索では、子ども達に有益な情報を提供するために「サーファー」と呼ばれる専門のスタッフが、子どもたちに有益なサイトを一つ一つ確認しながら、独自のデーターベースに登録を行い、子どもたちの検索ニーズに答えつつ、教育現場ならびに家庭で安心して利用できる検索サービスを提供している。Yahoo!きっず検索の年間ランキング上位の検索キーワードに登場する言葉や人物は、教科書の単元の言葉が中心。人物に関しては、新聞やニュースで取沙汰され、大人がよく検索するような時事ネタ、政治家などは登場せず、歴史的人物と子どもたちに人気のタレントが混在している。
子どもたちの検索ログから、子どもたちの調べ学習に関して必要な能力があると考えている。自分が調べたいテーマに関する単語を連想し、調べるべき要素を整理するための「連想力」、調べたい内容に合わせ、メディアや調べるための道具を選択する「選択力」がネットを使うためには必要。インターネット企業として、子どもたちにはさまざまな体験を通して五感を磨いた上で、インターネットを道具として上手に使いこなせるようになって欲しいと願っている。
最後に、子供達に願うことはインターネットという道具に振り回されず、上手に使いこなせる人のなってほしいということである。
Yahoo! JAPANでは、Yahoo!きっず以外にも、フィルタリングサービスのYahoo! あんしんねっとの提供や、保護者を対象とした教育啓発に取り組むなど、さまざまな活動を行っている。  

-苅宿 俊文氏 ご講演要旨-

デジタル教材が学校教材だけでなく、生涯学習教育の分野にも拡げていけないかをテーマにお話いただいた。
現在担当されているワークショップに関する研究のご紹介、そして、ワークショップデザイナー育成プログラムについての紹介があった。
今後、学ぶことが激変するであろう社会において、生涯学習社会は「生涯私も教えられる社会」の到来となる。
物事を体系的に学ばせるためにできた教科書を使って、それを一斉授業で先生方が伝授してきた時代から、いまや、学びたいという意欲があれば、ネットで情報や回答を得ることができるようになった。
アクティブラーニングとは、学習の個別化を図ることで教育に価値を見出し、知識を得る活動や知識を活用する活動を通して、学生が自分と知識との関係性を構築できることであり、教員は活動で関係性の構築を提供する専門性がより必要となる。
成人教育に是非デジタル教育をもっと取り入れてほしいと思っている。教材は単品ではなく、カリキュラムとして提供してほしい。 学ぶものから教えるものへ変貌する時代では、良質なデジタル教材が必要であると考えている。
 


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