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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2013年01月17日開催 

第30回 DiTT勉強会のご報告-下川和男氏・ 細田和也氏-

2013年1月17日、山王健保会館2階会議室にて、第30回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は下川 和男氏(イースト株式会社 代表取締役社長)と、細田 和也氏(日本マイクロソフト株式会社 プログラムマネージャー)にご登壇頂きました。下川 和男氏には、「EPUB ISO/IEC国際標準化の動向」というテーマで、細田 和也氏には「電子出版と視覚障害」というテーマでお話を頂きました。
以下は、発言要旨となります。


-下川 和男氏 ご講演要旨-


「EPUB ISO/IEC 国際標準化の動向」
イーパブが立ち上がった昨年の動きについて説明する。
2012年7月に楽天のコボが発表、9月にはグーグルがGoogleBooksの発表をする
アップルはiPad miniアとiBooks3.0でデバイスとビューワーが揃ったがiBooksストアーの日本での展開はされていない。が、教材教科書系の教育市場にシフトするのではないかと思う。
10月にキンドルストアーがオープンし、デバイスストアーも4種類並べたアマゾンは紙の書籍に対してもも電子化リクエストボタンがある。また、自費出版できるサービスができているその売上げに関して基本的には35%戻すとしているがアマゾンキンドルストアー独占だと70%もどる。 Epubよいう共通のフォーマットがあればすべてが対応できる。電子出版の特徴を活かすにはデジタルコンテンツを社内でしっかり管理するということが一番である。
ISO/IECは国際標準で、EPUBやHTMLはフォーラム標準である。EPUBを国際標準化するにあたってIDPFが監督する。現時点では、EPUBの技術仕様が不安定であるので今後国際規格化を検討する。
なぜ韓国からEPUBを推進したいと思っていない、電子教科書を推進しようと思っている。義務教育の教科書も含むのでWTOにひっかるので、 ISOで統一しようというながれである。電子教科書化するときにデバイスを配布しようと考えるのですが、韓国では、デバイスは各家庭で選択し、標準フォーマットの教科書コンテンツを政府が提供するというためにEPUBの国際標準を行った。1月下旬に韓国からISO/IECJTC1に提案しフォーラムからデジュールに国際標準化し国家や政府系機関での採用が容易になり仕様の権威が向上されるであろう。国際標準化にされるにあたって日本電子出版協会がボランティアで作業している。


-細田 和也氏 ご講演要旨-


「電子出版と視覚障害」
マイクロソフトでアクセシビリティのパートナー企業の技術サポートを担当しており、自身も全盲であるため、視覚障碍者の立場も含めて、本日は電子出版についてお話したい。視覚障碍者の情報の入手方法としては、一般的に「点字」が挙げられると思うが、実は点字を読める人は視覚障碍者の10%程度といわれており、読める人が非常に少ないのが現状である。そのため、音声というのは大変有効な手段であり、電子出版・電子書籍が一般的になり、音声での提供もされると、視覚障碍のある人にとっても大変有効な情報入手のツールとなる。
Windows 8では、さまざまなアクセシビリティ機能を搭載しており、音声読み上げツールとして「ナレーター」が標準で搭載されているほか、音声でEPUBファイルを読むことができる「EPUB Reader(仮称)」がアプリとして提供されている。会員制のネットワーク「サピエ」も、視覚障碍者を含む読字障碍者のツールとして有効なものである。これは、WebサイトからテキストやDAISY形式の図書、点字図書、音声で録音された図書などをダウンロードして読むことができる、読字障碍者向け電子書籍サービスである。地域情報などを入手することもでき、大変便利である。電子教科書は、障碍のある子どもにとって可能性を拡げるものである。アクセシブルなコンテンツとは、拡大したり読み上げたりする機能を提供すればいいということでなく、障碍は様々なため、調整できることが重要であり、今後も視覚障碍者を含む障碍のある人にも有効なコンテンツの提供を是非お願いしたいと思っている。

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