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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2014年06月09日開催 

第47回 DiTT勉強会のご報告-内藤恵二郎氏・東博暢氏/但野謙介氏-

2014年6月9日、山王健保会館2階会議室にて、第47回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は内藤 恵二郎氏(セイコーエプソン株式会社 VP事業戦略推進室 部長)と、東 博暢氏(株式会社日本総合研究所 戦略コンサルティング部 融合戦略クラスター長)、但野 謙介氏(南相馬ITコンソーシアム 監事)にご登壇頂きました。内藤 恵二郎氏には、「教育市場におけるインタラクティブプロジェクターの活用事例」というテーマで、東 博暢氏には「新たな教育情報化のCONTEXTについて~EdTech・プログラミング教育の幕開け~」但野 謙介氏「被災地における新たな産業創出について」というテーマでお話を頂きました。
以下は、発言要旨となります。


-内藤 恵二郎氏 ご講演要旨-


セイコーエプソンは大画面の表示装置を扱っているメーカーになるということで、大画面が一番活用されます一斉学習に関する世界の動向を説明させて頂きます。
授業形態として「一斉学習」「個別学習」「協働学習」と3パターンに分類しておりますが、 現時点では授業の中心は一斉学習だが将来は協働学習の比率が大きくなるのではないかと思っている、とはいえまだまだ一斉学習が主流ですので一斉学習がICT化の指標になるのではないかと想定している。
そこで学校における普及率において世界の情勢をお話ししようと思う、英国では電子黒板が92%導入されている北米でも60%近く導入が進んでいる。また、全世界の教室数に対する導入率は2013年度で18%だが2018年度には30%を超えるのではないかと思われるので今後先進国では急速に導入が進むのではないかと考えている。
次に、一斉学習で用いられる教材を、「アナログ教材」「自作デジタル教材」「デジタル教科書」3つに大きく分けてみた。授業の進行や説明内容によって大画面に表示したい情報が変化するので教材の切換や、使い方の違いに戸惑うことがある。よって準備に手間がかかりにくく、多様な教材に対応するということが期待される、そこで弊社は一斉学習向けの大画面表示装置をプロジェクター技術を用いて提供している。
また、普段生徒が使用している環境をいかにデジタル化するかを考えて当社独自の2本のペンとマルチタッチのそれぞれ独立した操作を提供することが可能である。教育向けに使われる機器というのは教室や校内で使いやすければ良いということで、機器を管理する方々の視点で管理面の配慮が非常に必要ではないかと思いさまざまな機能を搭載している。その一例がプロジェクターの動作モニター機能や、一斉に情報を配信できるシステムである。 これら特徴をもった商品群を提供し続けることで今後も教育のICT化の促進できる環境を提供していきたいと考えている。


-東 博暢氏・但野 謙介氏 ご講演要旨-


まず、100年前から現在に至るまでのIT業界をめぐるデバイスの変遷をたどりながら、変革のスピード感をつかむという観点で講演が始まった。
Wearable元年の今年から新しいデバイスが増えることが想定されるが、5年後のオリンピックまでに国際競争力を考えると大変重要となる。
教育業界においても、世界中で新しいサービスが参入してきているが、代表的なものにKHAN ACADEMYやMOOCs、Code.orgなどがあげられる。
EdTechは、日本でも盛り上がりを見せており、JMOOCも立ち上がり、また教育系スタートアップによるアプリサービスも続々と登場している。
プログラミング教育においても、アメリカ、イギリス、シンガポールなど世界中で盛り上がりを見せているが、日本でも近年プログラミング教育の重要性が取り上げられるようになった。本日は、南相馬市から「南相馬ITコンソーシアム」の但野健介氏に被災地の新たな取組みについてご紹介いただく。
東氏の講演に引き続き、但野氏より講演いただいた。
南相馬市は震災前人口7万人、4人に1人が高齢者という環境にあった。震災により約1000人の方がなくなり、現住する人口も現在では約5万人弱(うち1.5万人は仮設住宅)で、避難した若者の多くは帰還の意欲が奪われつつあるという現状がある。
その現状に直面し、地域の復興産業を担う人材の育成が急務であると考え、被災地に産業や雇用を生み出すことを目的に「南相馬ITコンソーシアム」を立ち上げた。
技術者はゼロ、Macすら触ったことのないメンバーが集まってのスタートだったが、2ヶ月間のプログラミング教育を受け、iphoneアプリを作成することができるまでになった。
これまでに開発したアプリは30本、複数のアプリを受託開発している。 昨年は小学生向けにプログラミングワークショップを開催するなど、次世代の育成も取り組み始めている。
プログラミングという、インプットしてアウトプットを通じて何かに役立つ、誰かを助けるという作業が、将来、いろんな逆境に直面したときに子どもたちがそれを克服する、乗り越えていくというきっかけになればと考えており、私たちが今やるべきことは、子どもたちがいろんなことにチャレンジできる土台・環境を整えていくことであると考えている。 

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