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指導先生 学校の授業にてICTを活用し、21世紀型スキルを育むような 先駆的授業をされている先生方の事例をご紹介します。

ぼくの、わたしのオリジナルデジタル教科書を作ろう!

都道府県 東京都
学校名 世田谷区立砧南小学校
先生氏名 菊地秀文
教科 理科
学年 小学4年

授業の目的

児童が実験体験を通して得た知識を動画や文章としてデジタル教科書に加え、知識の再構成を行う。

実施時期

平成24年6月19日

活用したICT技術

デジタル教材 、 タブレットPC 、 デジタルカメラ

授業活動の概要

 教科・単元名:理科・「電気のはたらき」〜回路を流れる電流の向きを調べよう~

 対象学年:第4学年 参加人数:38人

 活用するICT:端末Apple iPad38台、文章作成アプリApple Pages(あらかじめ紙の教科書をスキャンしておき、画像として貼り付けデジタル教科書として使用する)、カメラ機能、児童画面転送装置:Apple Apple TV

<授業の流れ>

①    デジタル教科書を読んで実験方法を確認する(一斉指導)。

②    プロペラとモーター、電池を用いて回路を作成する。電池の向きを変えると、プロペラの回転する向きはどうなるか、実験の様子をテレビレポーターになったつもりでレポートする。ペアになった児童はデジタル教科書端末のカメラ機能を用いて、動画で記録する。

③    動画を再生しながら、レポート内容のふり返りを行う。

④    よりわかりやすい動画レポートになるように、レポートの追加・修正を行う。

⑤    教科書内容の続きに動画を挿入し、電池の向きによるプロペラの回転方向の違いが比較できるようにレイアウトする。

⑥    動画を見比べながら、考察やまとめを文章として入力する。

⑦    完成した動画と考察やまとめを提示しながら、他の児童と対話を行い、学習を深める。

児童画面を電子黒板に転送し、クラス全体で学習内容を共有し、まとめを行う。

期待できる効果/ICT活用のねらい

 電気の学習は、電気の流れそのものを目で見る事ができないため、苦手意識をもつ児童も多い。しかし、テレビレポーターをまねて、カメラ機能で撮影してもらいながら実験レポートを行う事で、興味をもって学習に取り組む事ができる。→興味・関心・意欲の向上

 実験の操作をしながら、思いや考え、気づきをカメラの前で話させる事で、紙のノートには記録できなかった実験の感動や興奮を記録化して残していく事ができる。→言語活動の充実、記録化

 従来の学習では、実験終了後に実験内容を思い出しながら結果をまとめていくが、この学習では,自作の動画を見ながらまとめることができるので、学習内容を想起しやすく、文章化もしやすい。→理解の促進

 普段使っている教科書の情報に、自分たちの体験を通して得た情報をデジタルベースで統合していくことで(オリジナルのデジタル教科書)、児童一人一人の知識として再構成していくことができる。教科書を見返す事で、同時に動画やノートなど自分の学習記録も見返す事ができる。→学習情報の一元化

教科書内容+自作の動画+実験レポート=オリジナルのデジタル教科書

評価/振り返り

<児童へのアンケート結果やインタビューより>

  実験の様子を動画として振り返ることができ、動画を比較したり、何度も再生できたりしたことで、考察やまとめがしやすく、たくさん文章を書く事ができた。

  実験のレポートを見返していくうちに、もっとわかりやすく伝えるにはどうしたらよいか、工夫しようと思い、何度かレポート動画を撮り直した。

  動画でレポートすることで、紙のノートでは伝えられなかったことも伝えることができてうれしかった。

  動画付きのノートなので発表がしやすかった。また、友達の発表もわかりやすかった。

<教師・参観者による評価>

 子供たちの発話がとても活発な授業となった。特に、普段は授業中おとなしい児童らの、積極的にレポートを行っていたり、ペアの児童にアドバイスを行ったりする場面が印象的だった。

 考察やまとめを書くのが苦手だった児童も、しっかり文章にまとめる事ができていた。児童全体の記述量も増えていた。発話しながらのレポート、その動画を振り返りながらの記述が理解に効果的であった事、学習に対する意欲の向上が関係していると考えられる。

 児童は様々な学習を行う中で、一つ一つの実験の詳細は忘れてしまうことが多い。他の児童との恊働的な学習についての記憶も残っていく事は少ない。こうして、児童の学習における感動や興奮を詳細に残していく事は、振り返りを行い、自己効力感や達成感を高める上でも非常に有効であると考えられる。教科書と学習記録が一つのメディア上に統合され、教科書を振り返る事で関連する学習記録を呼び出す事ができるのは、デジタル教科書にしかできないことである。

 本実践では、教科書データは紙の教科書をスキャンして画像化したものを使っており、教科書そのものに高度な機能はない。しかし、児童自らがコンテンツを作成して、教科書に加えていく事で、とても豊かな教科書に変わっていった。児童はとてもアクティブに学習に取り組んでいた。教科書とノート等が同じメディア上で統一されて一元的に扱う事ができるだけでも、意義があると言える。

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