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指導先生 学校の授業にてICTを活用し、21世紀型スキルを育むような 先駆的授業をされている先生方の事例をご紹介します。

ジェネリックICTによる顕微鏡ライブ

都道府県 愛媛県
学校名 松山市立味酒小学校
先生氏名 小早川誠二
教科 理科
学年 小学5年

活用したICT技術

インターネット/Webサイト 、 パソコン

授業活動の概要

 最先端のICTに対し、一般化して熟れた情報通信技術を「ジェネリックICT」と名付けた。斬新なICTは高コスト高リスクで学校現場では夢の話だが、安価で安定した枯れた技術なら予算の少ない公立校でも導入することができる。
 本校では、理科室をジェネリックICTで整備した。具体的には、児童用の実験机にパソコンとモニタを設置して理科室LANを結んだ。そして、顕微鏡カメラやマイクロスコープなどでデジタル観察できるようにし、ストリーミング技術を使って各班の実験や観察を配信して、同時中継でどこからでも見られるようにした。
 例えば、6月には、5年生が水中の小さな生物を顕微鏡で観察する活動をもった。そのときは、各班で顕微鏡で観察をしながら観察物をネット配信し、他の班が見ている観察物も含めて、8元生ライブでモニタ上で8画面同時に見ることができた。
 また、校内LANと接続して、理科室での観察飼育の様子を、校内のパソコンなら、いつでもどこからでも観察できるようにした。ライブ観察の例は、3年理科でのモンシロチョウの卵→幼虫→さなぎ→成虫の成長の様子、4年理科でのカマキリの卵の孵化の様子、5年理科でのメダカ卵の成長の様子(実体顕微鏡での配信)などがある。また、2012年の部分日食や金星の日面通過の折には、天体望遠鏡の接眼レンズとWebカメラをつなげて、天体現象を全校にネット中継した。

期待できる効果/ICT活用のねらい

 「安く導入できて、普段の授業で普通に使えるICT」を研究することで、どの学校でも手軽に取り組むことができると考える。
 理科においては、ジェネリックICTを活かして、植物や昆虫など疎遠になった自然を子供の身近に引き寄せ、薄まりつつある自然への興味関心を喚起させたい。
   また、他のグループの実験・観察活動をICTで共有する環境を作り、他と比較しながら理科事象を理解していくことで、より確かな学力を身につけさせたい。

評価/振り返り

 顕微鏡ライブでは、観察の状態をどのモニタからでも確認することができたので、教師側では、ぼやけたまま観察している班にはピント調節の指導を、観察物が表示されない班には顕微鏡の使い方の確認をというように、スピーディで的確な支援が行えた。児童側では、他の班で見つかった微生物をモニタ上で見たり、その班に行って顕微鏡で見たりして、他の班の観察も共有していくことができた。
 理科室では、各班のモニタを第2の黒板と考え、板書を表示させることが多いが、子供にとっては、遠くの大黒板よりも近くのモニターの方が数段見やすくわかりや すいようで、黒板板書の時よりもワークシートへの記入がきっちり行えるようになっている。
 校内LANでのライブ中継も子供に好評で、好きな時に生き物の成長の様子を見られることで自然への関心が喚起された。休み時間にちょうど卵から子メダカが生まれたときには、校舎のあちらこちらから同時に歓声が沸いて、全校児童1000人が生命の誕生の瞬間に立ち会って、共に喜んだ。
 顕微鏡ライブは参観日や研究授業を通して、保護者や他の教員に見てもらった。保護者の感想はすこぶるよく、「最新の機器を使ってわかりやすく、時代の変化を感じた」という内容が多かった。教員の感想も、「最先端のICTを使った授業で、視覚的によかった」という内容が多かった。実は技術的にはとうに一般化したありふれたものであることを説明するとびっくりしており、一般社会と学校とではICTにおいて大きな技術格差があることを痛感している。学校において、ICT機器を、研究授業のために魅せるような一発花火のような使い方ではなく、現状でき得ることを普段の授業の中で普通に使い続けていくことが大事だと考えている。

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