▲

指導先生 学校の授業にてICTを活用し、21世紀型スキルを育むような 先駆的授業をされている先生方の事例をご紹介します。

討論を通じて公害とは何かを再考する

都道府県 石川県
学校名 石川県金沢市小坂小学校
先生氏名 小林祐紀
教科 社会/生活
学年 小学5年

授業の目的

●あらまし
本時のねらい:当時の人々のジレンマを理解しつつ自分のことばで、公害の害悪を
表現することができる。
実施時期:3 月、教科:社会科「わたしたちの生活と環境(東京書籍)」※補助教材、
対象学年:小学校第 5 学年、参加人数:38 名、使用した ICT 機器:タブレット端末、電子黒板
●概要
5 年生社会科「わたしたちの生活と環境(東京書籍)」の補助教材として、「公害をこえて」という教材が準備されている。本実践では、この補助教材を補充・応用として授業に取り組んだ。四大公害病を理解するだけではなく、主として四日市ぜんそくを扱いながら、討論を通して、当時の人々のジレンマ、そして環境を守ることの真の大切さ感じてほしいと考えた。
 単元の学習は以下のような構成ですすめた。
1 時:四大公害病について調べる
2 時:写真資料から四日市ぜんそくについての理解を深める
3 時:四日市ぜんそくの歴史を調べる
4 時:討論を通して、当時の人々の思いにふれる
5 時:公害病を乗り越えるための人々の努力を知る、学習のまとめ
 タブレット端末は 4 時で活用した。4 時では学習課題を「当時の四日市の人々は、石油化学コンビナートができることに賛成したか、反対したか」とした。
 授業前半は討論ですすめられた。反対派からは「わたしは反対したと思います。こんなにもひどい病気になり、苦しむことに賛成するなんてありえないと思います。」などの意見が出され、賛成派からは、「わたしも賛成したと思います。このころは高度経済成長という時代だし、工場ができれば働けるし、給料の増えるだろうから賛成したと思います。」などの意見が出された。その後、四日市市歌を通して当時の人々の思いに迫った。
 そして、タブレット端末を用いて、当時の人々にとって公害とは何であったのか再考した。小どもたちは公害とは何かはすでに学習しているが、当時の人々の思いに寄り添ったうえで、再考させたかった。
一人一人の意見を大切にしながら、4人グループで話し合った結論をタブレット端末に書き込んでいった。タブレット端末という、ICT 機器を中心にして、話し合いが積極的に行われていた。 最終的に、タブレットに書き込んでいる状況を、教師用のタブレット端末から確認し、意見の異なるグループを選び出した。グループの代表者は、電子黒板を用い
て発表を行った。

活用したICT技術

タブレットPC 、 電子黒板

期待できる効果/ICT活用のねらい

教師側
・教師側によるグループ思考のみとりの正確さの向上
・電子黒板に転送して発表することで授業テンポの向上
子ども側
・グループ思考の活性化(試行錯誤が容易)

評価/振り返り

公害の害悪を教科書的な定義ではなく、自分自身の言葉でまとめることができた。
例:公害とは科学進歩が生み出した人を苦しめるものである。
また、他のグループの発言を聴いて、考えを深めたり確かにしたりしていました。

その他の関連情報

先導先生の一覧へ戻る



ページトップへ戻る

COPYRIGHT 2011. Digital Textbook and Teaching all rights reserved.