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2017年11月09日開催

デジタル教科書教材協議会シンポジウム「AI時代の教育を考える」


■日時:2017年11月9日(木)13:30~15:00 

■会場: 東海大学校友会館富士の間(霞が関ビル35階)

シンポジウム参加者 :
乾健太郎       東北大学 大学院情報科学研究科 教授
                   理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)
                   自然言語理解チーム チームリーダー
加藤理啓       Classi株式会社 代表取締役副社長
小宮山利恵子 リクルート次世代教育研究院 院長
佐伯宜昭       情報通信研究機構 知能科学融合研究開発推進センター(AIS)
                   副研究開発推進センター長
高村大也       産業技術総合研究所 人工知能研究センター(AIRC)
                   知識情報研究チーム長
本庄勝          株式会社KDDI総合研究所研究プロモーション部門
                   教育・医療ICTグループ 研究主査
中村伊知哉    DiTT専務理事、慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授
石戸奈々子    DiTT事務局長、NPO法人CANVAS理事長
*敬称略




「AI時代の教育を考える」と題し、AI研究の総本山として知られている国立研究開発法人を含む総勢8名の有識者にお集まりいただき、AI時代における教育の現状と課題について意見交換を行った。



  初めに、各社の研究内容や取り組みについて説明いただいた。言語処理技術の教育応用の研究として作文等の言語活動の質を評価し、その根拠を説明する事例、多言語音声翻訳技術の社会実装事例、コンペテンシ―向上のための技術開発などの取り組みがみられた。それぞれの研究所・企業の取り組みについては多岐に渡る一方で、「データの重要性」については、共通して課題とされる意見が聞かれた。「AIを育てるためにデータは重要。データを誰がどうやって集め、誰の為に、どのように使っていくのか」を議論していく必要があると国立研究開発法人情報通信研究機構の佐伯氏は語る。教育機関などを含む様々な機関と連携をした取り組み、データを収集する仕組み、活用における規範づくりなどを実装することが必要である、との意見で一致した。



  シンポジウム後半のパネルディスカッションでは、各社の取り組みを踏まえ、これからの教育におけるAIの可能性や課題について活発な意見交換が行われた。学習活動に関わるデータ収集に関しては、全国的に行われている調査データの開放と流通、教員の基準やスキル、個人情報保護などの課題が挙げられた。
  また、「AI」という言葉が多用されている中、まずは言葉の定義を明確化し、共通認識をつくり、AIができることとできないことを整理する必要があるという意見も挙がった。その上で、アダプティブラーニング以外の領域への導入や、「ポストシンギュラリティ世代の子どもたちをどう育てたいか」という教育のあるべき姿に基づき、AI技術の開発と応用を検討する必要がある、との意見もでた。



  「学校という限られたコミュニティだけではなく、産官学で連携し、研究者にとっても技術革新が促されるような魅力的な研究分野になるように、オープンイノベーションを推進していってほしい」という期待の声が多く聞かれた。 最後に中村伊知哉DiTT 専務理事は「本シンポジウムを皮切りにDiTTとしてワーキンググループを設置し、今後は様々なセクターと実証実験や提言などアクションに繋げていきたい」とシンポジウムを締めくくった。




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