2017年05月23日開催
シンポジウム「教育の情報化を推進しよう」 ~学校教育における情報化の推進に関する法律案について~
■日時:2017年5月23日
■会場:
参議院議員会館1階 101会議室
パネルディスカッション:
遠藤利明 衆議院議員・超党派議員連盟会長
中川正春 衆議院議員・超党派議員連盟会長代行
石橋通宏 参議院議員・超党派議員連盟事務局長
菊池尚人 DiTT理事
山田肇 ICPF理事長
*敬称略
シンポジウム「教育の情報化を推進しよう」
~学校教育における情報化の推進に関する法律案について~
共催:超党派「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」
特定非営利活動法人 情報通信政策フォーラム(ICPF)
一般社団法人 デジタル教材教科書協議会(DiTT)
挨拶:遠藤利明超党派議員連盟会長・中川正春超党派議員連盟会長代行
ICTの教育現場への導入について、子ども・教員にとって負担になるという意見もあるが、海外では導入が進んでいて、効果が出ている。ICTは障害者教育や遠隔教育の支援にも役に立つ。教育の情報化推進のためには、その裏付けとしての法律が必要、今超党派の議員連盟で法律案の国会提出に向けての準備を進め、文部科学省、総務省、経済産業省などとも協力している。
参加議員の紹介:国会議員(議員連盟)から一言
山本博司参議院議員、原口一博衆議院議員、渡海紀三朗参議院議員、左藤章衆議院議員、
盛山正仁衆議院議員、田島要衆議院議員。
講演:石橋通宏参議院議員
2013年に超党派による勉強会を立ち上げ、教育のICT化促進について検討を始めた。2015年に議連化し、予算要望の提出や政策提案を進めてきた。現在衆参75名の議員が参加(無所属も含む)している。
今後はICTを活用し、一斉学習から課題解決型学習に変化し、生徒ひとりひとりの要望に応え伸ばしていく教育を提供していく。過疎地域、離島等、どこにすんでいても豊かな教育を受けられるようにする。世界と繋がるICTの効果をどこからでも享受できるようにしたい。教職員の過重労働問題については、ICT導入によって最初は負担が増えるが、ある時点で負担は軽減していき、子ども達に向き合う教育の時間が増えた実績もある。今後とも、ご支援ご協力をお願いしたい。
講演:菊池尚人DiTT理事
法案には「制度改正の範囲検討を提言」「障害児対策の強化」「国の責務の明記」などもあり、今回の法案は議員立法としては一歩進んだものになっている。
2011年には佐賀県武雄市の実証実験に協力したが、当時小学5年生は今年高校卒業する。この間に教育の情報格差が広がっている。2020年にプログラミング教育必修化される。諸外国に比べて日本は遅れている。PISA2015では日本の読解力の順位が大きく低下した。「回答の仕方が、紙からコンピュータから変わったことが一因」であると考えられている。
また、人工知能技術が急速に進展している中で、人工知能の要素を如何に教育に組み込むか、バリュー化するかが問われている。宗教改革以来、500年ぶりの大きな変化が訪れているが、それに備える教育は重要である。
総合討論:会場参加者より、質疑を集めたところ、「著作権について」「教育の方法と教員の負担について」また「アナログも必要ではないか」といった視点からの意見が出された。それらに対し、この法案は各論ではなく、プログラム法案であり、個別法を今後作っていく必要があることが確認された。また、これからの教育は一斉学習ではないという点、さらに「デジタルVSアナログという対立構造ではなく、それらを組み合わせて新しい学びを実現していきたい。」という教育ビジョンについて話し合われた。最後に山田ICPF理事長が法案成立に向けて議連の活躍を期待すると語り、終了した。