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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2016年07月28日開催 

第72 回 DiTT勉強会のご報告-小野田哲也氏・小泉雄介氏-

2016年7月28日、赤坂シュビアホワイエルームにて、第72回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催致しました。今回は小野田哲也氏(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 文教本部長)と、小泉雄介氏(国際社会経済研究所 情報社会研究部 主幹研究員)にご登壇頂きました。小野田哲也氏には、「Minecraft for Education ご紹介」というテーマで、小泉雄介氏には「オンライン学習教材と個人情報保護」というテーマで、お話し頂きました。
以下は、発言要旨となります。

-小野田 哲也氏 ご講演要旨-

初等中等教育段階からのプログラミング教育必修化についての話題から入り、第4次産業革命に向けた人材育成として理数系教育(STEM教育)やプログラミング教育の必要性についてはじめに語られた。その後Microsoft Researchが制作された、ICT普及による今後の社会について、ムービーを混じえながらMicrosoftが目指す世界をご紹介頂いた。その際すでに始まっている社会における働き方の変化についても含めご紹介され、再度STEM教育の重要性や、その環境構築の必要性を述べられた。次にMicrosoftの考えるLearning Programについてご紹介頂いた。それは年齢に似合ったプログラミングレベルを提案するものであり、タイル型(AGE 5+)、ブロック型(AGE 9+)、単純なコーディング(AGE 11+)、完全なコーディング(AGE 13+)と四段階で示された。これをもとにしたプログラミングの学習環境を構築していくべきだと述べられた後、テーマであるMinecraftに関してのご説明に入った。Minecraftはレゴブロックの仮想版のようなビジュアルを持つプログラミングツールであり、プロジェクトマネジメントを体験するには優れたツールであるとご紹介された。その際に現在教育利用事例のある渋谷区立広尾中学校の取り組みに関してご紹介頂いた。生徒達は論理回路を駆使してプログラミングで建物等を制作していたと当時の様子も含めてご紹介された。事例を取り入れた後、Minecraft活用の3つのポイントを提示された。それは、「デザインやアート」「コラボレーション「法則性」のこの3点である。要するに、とある授業の延長線上で協働作業も行えつつプロジェクトマネジメントを体験させることが出来る、これがMinecraftの活用法であると述べられた。これらの説明を頂いた後、製品版提供に先駆け9月にリリース予定であるMinecraft: Education Editionについてのご紹介を頂いた。機能は「より簡単になった協働学習環境の準備(別途のサーバーシステムを構築する必要なく、最大で30名の学習者が1つのワールドに参加することが可能)」「学習記録の容易な取得と活用(生徒はカメラ機能を利用してMinecraft内の写真を撮れる)」「スムーズに学習を進めるための支援機能(1つのクラスで複数の生徒を指導するための支援機能が準備されている)」「多様な学習システムに安全なシームレスなアクセス(ライセンス管理やログオンをOffice365 Educationのアカウントで行える)」とご説明頂いた。

-小泉 雄介氏 ご講演要旨-

国内外の個人情報保護制度の調査、国民ID制度の調査とそれに基づく政策提言を主な業務としているとご紹介された上、まず日本の個人情報保護制度の全体像のご説明を頂いた。個人情報保護に関する法令は民間分野と行政分野で別々に規制するセグメント方式を取っており、行政分野には行政機関個人情報保護法のほか各自治体の個人情報保護条例が存在すると述べられた。また特別法という位置付けで、マイナンバーに関する取り扱いは社会保障・税番号(マイナンバー)法で定めているとご説明された。次に個人情報保護法改正の検討経緯を、「世界最先端IT国家創造」宣言、パーソナルデータに関する検討会開催、個人情報保護法改正法の成立、個人情報保護委員会の設置と主な動きを基にご説明頂いた。今回の個人情報保護制度見直しの要因は三点(1. パーソナルデータ取り扱いのルールの明確化、2. 国際的なデータ保護レベルとの整合、3. 違反事業者に対する法執行の強化)であるとした。背景として鉄道会社における乗降記録データの提供を巡る議論があること、またICTやグローバル化の進展とそれに伴う新たなサービスの出現に合わせた個人情報保護制度を作るためにEUや米国、OECD、APECなどで全世界的に制度見直しの動きがあることが紹介された。次に個人情報保護の基本的考え方として1. 個人(顧客)とのインターフェース(取得・開示・訂正等)と2. 業務における適正利用・適正管理の二点としその詳細を含めて述べられ、また安全管理措置を怠った場合のリスクを事例を基にご紹介頂いた。改正法による大きな変更点は、現行の個人情報保護法では保護対象が「個人情報」のみであったのに対し、改正個人情報保護法では「匿名加工情報」「個人情報」「要配慮個人情報」の三類型になったと内容を含めご紹介された。その後、学校での教材利用における個人情報保護として、従来の紙教材利用における個人情報の流れ、学力テスト等の外部委託における個人情報の流れ、タブレット配布など学校でのオンライン教材利用における個人情報の流れ(1. 取得委託型 2. 第三者提供型)や、各々における個人情報保護上の留意点(利用範囲、保護者の同意等)についてご説明頂いた。


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