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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2015年07月16日開催 

第60回 DiTT勉強会のご報告-福山宏氏・石戸奈々子氏-

2015年7月16日、山王健保会館2階会議室にて、第60回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は福山 宏氏(株式会社地域活性化総合研究所 客員研究員)と、石戸 奈々子氏(NPO法人 CANVAS 理事長)にご登壇頂きました。福山 宏氏には、「地域活性化のためのICTを利活用した地域人材育成と子育て支援の関係性」というテーマで、石戸 奈々子氏には「デジタル時代の子どもたちの学びの場を創る~よみかきプログラミング~」というテーマでお話を頂きました。  
以下は、発言要旨となります。

-福山 宏氏 ご講演要旨-

東日本大震災後、岩手県大船渡市を中心に、地方の「災害時の防災情報伝達」「地方の人口問題対策」などに取り組んでいる。そこで、本日は大船渡を例としてお話し下さいました。
大船渡では、地元で就職しても一年で3割・三年で5割の率で仕事をやめてしまうのが現実で、現在の生活環境だと9割の人たちが地元から出たいと望んでいる。また、若い人たちに「あなたがなりたい職業について大船渡市内で十分な教育を受けることができかつ、そのまま国内外の大企業とも一緒に仕事ができるような職場がある場合、あなたは地元に残りたいと思いますか?」というアンケートをした結果76%の人が残りたいと回答した。結局、地方の多くの自治体には専門学校や大学などの高等教育機関がなく勤労者が資格を取得するための各種学校もない。また、農業・水産業・食品工業などの既存産業は跡継ぎ不足や求人しても応募がない状況が続き、IT等の先端の産業がないことが考えられる。
そこで、地域の経済活動を活発にして、若者が地元で働き続けられ、家庭を築いて住み続けられるための環境整備を急がなければならないと考え、2015年度から地域における一本化したキャリアマネージメントシステムを導入し、プログラミングワークショップやハッカソン等を通じて交流し人材育成をし「ふるさとテレワークセンター」で勉強が出来るようにした。しかし、気になることが、子育て世代の社会人の人たちは子どもたちの学校や習いごとの送迎などで、自分の為の時間が持てず、自己の能力を高めるための資格受験に取り組みたいと思っているが取り組めないのが現状である。そのようなことから、今後は地域の「子供の育成環境」と「保護者の育成環境」の戦略的な街づくりが地域の人材力強化に重要ではないかと考えている。
 

-石戸 奈々子氏 ご講演要旨-

子どもたちの主体的で協調的で創造的な学びの場を提供するために2002年に設立したCANVASは、産官学連携で多くの活動を展開してきた。
その活動の一つである、全国から選りすぐりの子ども向けワークショップ・ プログラムを集めた「ワークショップコレクション(http://wsc.or.jp/) 」は、 2004年から毎年開催しているが、現在では2日間で10万人が参加する世界最大の子ど も創作イベントとなっている。このワークショップコレクションで2年前くらいから 大人気となっているのが、プログラミングのワークショップである。
子ども達はプロ グラミングというものづくりを通じて、自らの知識を構築し、課題を解決する力や、 他社と協働で新しい価値を作り出す力を身につけている。私たちは「プログラミング を学ぶのではなく、プログラミングで学んで欲しい」と思っている。
2012年、東日本大震災の被災地にて半年で600人の子ども達にプログラミングのワー クショップに参加してもらったことがきっかけとなり、本格的に全国の子ども達へプ ログラミング学習を届けていきましょう、ということでスタートしたのがPEG(プロ グラミング・エデュケーション・ギャザリング)である。2013年には、Googleに後援 をいただき、目標としていた1年間に2万5000人の子ども達の参加を達成、将来的に は1000万人の子ども達に提供したいと考えている。 より多くの子ども達に提供するためには、学校、自治体、教育関連団体の協力が必須 であり、CANVASでは1000人の指導者研修をしたり、継続して運営していけるような仕 組み作りに注力して全国に拡げていきたいと考えている。
このCANVASの活動以外に、これからの時代を生きる子ども達に、良質なコンテンツを 提供するために設立したデジタルえほん社で、発表したいくつかのアプリ (http://digitalehon.net/#product) を紹介。 これからも、さまざまな活動を通じて、子ども達が創造力を発揮できる社会を創りた いと思っている。
 


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