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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2013年03月19日開催 

第32回 DiTT勉強会のご報告-中川一史氏・ 植松繁氏-

2013年3月19日、山王健保会館2階会議室にて、第32回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は中川 一史氏(放送大学 ICT活用・遠隔教育センター 教授)と、植松 繁氏(株式会社ジャストシステム ライセンス事業部 事業部長)にご登壇頂きました。中川 一史氏には、「タブレット端末の授業活用の実際と展望」というテーマで、植松 繁氏には「タブレットPCとスマイルゼミ」というテーマでお話を頂きました。
以下は、発言要旨となります。


-中川 一史氏 ご講演要旨-


「タブレット端末の授業活用の実際と展望」
公立小学校ではデジタルテレビ、電子黒板等の整備が進んできた。また、指導者用デジタル教科書が普及し始めている。タブレットPC・端末が一人一台配布されフューチャースクールや学びのイノベーション事業が進んでいる。また一部の私立、一部の自治体でモデル的に始まっているのが現状である。学習者用デジタル教科書・教材については100個のライセンスをもって文科省が実証的に進めているという段階である。
学校でのICTの活用というのは、教師が活用、知識の定着、理解の補完、技能の習得に使うことがこれまで多かったが、今後児童・生徒の活用も多くなるのでないかと思う。 2011年にでた文科省・教育の情報化ビジョンにはタブレットPC・端末の活用場面が非常に多い。よってICTの活用にシフトしていかなくてはというあらわれではないだろうかと思う。
FS東日本のICT支援員の授業記録メモを分類してみたところ【クラス共有】【グループ共有】【交流】【制作】【収集】【習熟】タブレットPC・端末活用を6分類できた。一斉学習は【クラス共有】協働学習【グループ学習】【交流】【制作】個別学習【収集】【習熟】にだいたい分けられる。そこでICTを使うことにより協働学習はどう促進されるのか、細かな学習スタイルの発展がみられるのか、注目している。協働学習に関することでいうと、総務省と文科省の言い方が少し違う、総務省は協働教育と言いICTを使って児童が教えあい、学びあうと定義し、文科省は協働学習と言い子供たち同士が教えあい学びあう協働的な学びと定義している。 2つの違いがはっきりしないが、学習場面では、発表、制作、討論、意見の分類、整理等がキーになると思う。協働教育、協働学習の肝としては、本気になれる場を創ること、建設的な妥協点に迫れること、思考の可視化にICTが寄与することがキーになるのではないかと思う。
iPadを使用して実証研究をしてきたがシンプルな活用に尽きると思う。使う機能としては、見る、撮る、大きくする、書き込む、動かす、見せる、送る、の7つだと思う。児童は短時間で慣れるが教師は取扱い説明書があるような機種では、教師は使えないと思う。そこでまず、「脱.取扱い説明書」を希望したい。
これから導入を検討する学校や地域に対して言うと、ICTはメリットがある。が、従来の教材・教具はなくならない。つまりICTとどのように融合していくのが課題になると思う。
タブレットPC・端末普及を松竹梅で分類すると【松】所有【竹】複数学級分のタブレットPC・端末の導入【梅】一学級分のタブレットPC・端末の導入があげられる。が、それぞれ課題がある。これをクリアすることが普及のカギになるのではないだろうか。


-植松 繁氏 ご講演要旨-


「タブレットPCとスマイルゼミ」
2002年頃より施行されたゆとり教育によって、子どもたちの学力が低下傾向にあるとの報告が話題となった。そのため、子どもたちに学習習慣を身につけさせることの大切さに注目が集まり、また、めまぐるしく変化する情報化社会の中で、インターネット、パソコンやゲーム機器、携帯電話やスマートフォンなどの情報端末を自由自在に使いこなすなど、子どもたちの興味関心や特性も変化している。こうした状況の中で、新しい家庭学習スタイルを提供できないか、そうした想いのもと生まれたのが「スマイルゼミ」である。
タブレットパソコンを使った通信教育「スマイルゼミ」には、3つの方針がある。1つ目は、五感を使って理解が深まる教材であることだ。タブレットパソコンを「使って見る・触る・動かす」といった、より直感的な操作で、映像や音の演出もあり楽しく学習ができる。また、その場で瞬時に答え合わせをすることができ達成感を得ることができる。2つ目は、子どもたちがやる気を高めて夢中で学習する仕組みであることだ。子どもたちは自分専用の9.7インチのタブレットパソコンを持ち、手書きや筆算、写真も撮ることができる。
学習の道しるべとなる「スターナビ」システムや、学習を頑張った分だけ楽しめる「スターアプリ」が毎日の学習への意欲を引き出すことができる。3つ目は、保護者が子どもたちの学習取組状況をリアルタイムに把握できることだ。学習履歴や分析結果などが表示され、子どもたちの得意科目や苦手科目を把握でき、より子どもたちの学習に寄り添って励ましの声をかけることができる。これからも、時代に応じた新しい学びのスタイルを「スマイルゼミ」で展開していきたい。

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