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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2014年07月10日開催 

第48回 DiTT勉強会のご報告-川崎紀弘氏・川原洋氏-

2014年7月10日、山王健保会館2階会議室にて、第48回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は川崎 紀弘氏(株式会社AZホールディングス 学び事業部 コンテンツディレクター)と、川原 洋氏(サイバーユニバーシティ株式会社 取締役 サイバー大学学長 兼 IT総合学部部長)にご登壇頂きました。川崎 紀弘氏には、「対話によるコミュニケーションについて」というテーマで、川原 洋氏には「ICT利活用による高等教育の社会的拡充~サイバー大学とパートナー校における実践と市民講座への広がり~」というテーマでお話を頂きました。 
以下は、発言要旨となります。

-川崎 紀弘氏 ご講演要旨-


イベントデザインを手掛けているが、最近大学生達から対話のイベントをやりたいと持ちかけられることが多くなった。
例として、大学生3人で対話部を作りワールドカフェという手法を使って対話イベントを開催し、「どうしたら他者と心地よい関係がつくれるか?」「小さな違和感が大きな被害にならないために私たちになにが出来るか?」等のテーマをもとに、デジタルメディアを使用せず、3時間ほど対話をする。その様子を見ていると、今の社会や我々の関係性の中で、わだかまっているようなことをどっぷりと皆で話をしたいと望んでいるのではないかと感じる。そこで、何故彼らは対話をしたいのか?参加者や主催者は何を求めているのか?そこでイベントを通して考えてみた、主催者側は「対話の魅力を知って欲しい」「みんなの意見を聞きたい」、参加者側は「いつもよりちょっと深く考えた」「人の話をちゃんと聞けていることに気付く」「結構しゃべっている自分に自信がつく」等と教育的な価値が非常に高いと思う。
また、デジタルと対話の関係でいうと現在LINE等を使い、会話に関してのデジタルメディアは良い方向に行ったと思うが対話をすることによって、周囲の対話がかすかに影響を及ぼすことがあり、また違った発見が起き、会話による情報伝達が対話によって共有することにつながってくる。 今後の課題は、対話はリアルコミュニケーションにまかせてしまうのか?情報コミュニケーションをやっていく中で、デジタルメディアの対話によるコミュニケーション学習もありうるのではないかと考える。また、皆が集まる場でデジタルメディアがサポートできることがあるのではないかと考えている。 


-川原 洋氏 ご講演要旨-


本日は、国内のネット大学の背景と現状、サイバー大学のご紹介、そしてサイバー大学における授業運営要件とICTによる解決について、最後に学校連携と市民講座への展開についてお話しさせていただきたい。
 通常大学を設立するには、教育に必要な敷地や設備等に多大な設備投資が必要とされるが、2006年に制定された特例措置番号832により、インターネット上ですべての授業を行うネット大学に対しては、この要件が緩和された(特例措置番号832は2015年度より全国解禁の予定)。もう一つの特例措置である学校設置会社(ソフトバンク100%出資による株式会社)による学校設置事業(特例措置番号816)と合わせて、サイバー大学は福岡市のアジアビジネス特区において2007年4月に開校した。
 サイバー大学は、高校を卒業して大学の入学資格を有し、勉学に意欲があれば、学力審査をせず入学を許可している。いわゆるオープンアドミッションにより、現在約1500名の学生が在籍している。ITとビジネスの両分野で高度IT人材の育英を目指すIT総合学部のカリキュラムでは3年次からテクノロジーコースとビジネスコースに別れ、特にビジネスコースの起業・経営プログラムは全在校生の約四分の1の学生によって選択されている。
 サイバー大学の授業運営要件として、(1)多忙な社会人学生の隙間時間をどれだけ学習時間に充てることができるか、(2)単位認定のための本人確認となりすまし防止、そして(3)授業コンテンツの制作と保守の効率化が挙げられる。(1)については2012年4月より運用しているクラウドキャンバスで学生がTPOによって、PCやiPhone、iPadを使い分け、学習時間を最大限確保できるように工夫をこらしている。(2)では顔認証による本人確認システムをモバイル端末にも実装した。(3)では教員や学生がセルフサービスでPCさえあれば簡単にコンテンツ制作ができる環境を提供しており、2014年度春学期では153科目(5611タイトル)のオンデマンド・コンテンツを配置している。  これらの遠隔教育システムと運営体制は成績評価を含むオンライン授業の提供を他校生へも可能とし、連携校のカリキュラムの強化につながっている.また一般の方からの「投稿授業」も具現化すれば、市民講座の新しい型となると考えている。 


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