自分の気持ちを伝えよう
都道府県 | 宮崎県 | ||
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学校名 | 宮崎市立国富小学校 | ||
先生氏名 | 水野宗市 | ||
教科 | 総合学習 | ||
学年 | 小学6年 |
活用したICT技術
授業活動の概要
児童の実態として「自分の考えや思いをしっかりと表現できない
(はずかしい,消極的である,内容を整理していない,相手を意識
していない)」という点があげられる。その原因として,これまで表
現する活動をあまり行っていないこと,伝えたいという意欲に欠け
ることを感じている。そこで,情報教育の視点より,「さまざまな情
報手段を活用して,効果的に表現する」「伝えたいことを明確にして,
相手にわかりやすく伝える」ことを目標に,「自分の思いを持った学
習活動」を実践することで表現力向上につながると考えた。
伝える活動を計画するにあたり,重要なポイントとして「相手を
意識する」「自分の思いを効果的に表現する」「自主的な活動になる
ような工夫をする」ことが大事であると考えた。卒業を控えた6年
生児童において,保護者への感謝の気持ちを伝える活動を実施する
ことで「相手(保護者)を意識し」「自分の思い(感謝)を伝える」
ことができると考えた。普段,保護者に対して感謝の気持ちはある
もののなかなか素直に言葉にできない。その思いをICT機器を活
用し,30秒程度のクリップビデオにまとめ保護者に伝えることを
目標とすることで,児童は興味・関心を持ち自主的な活動を行うと
共に,様々な表現方法を習得することにもつながる。そこで,情報
を整理,分析し,判断することができる学習活動を計画した。具体
的には,6年間での「保護者との思い出がある品物」を考え,その
品物についての3枚の写真を撮り,その写真にメッセージを付け加
え,ビデオとして制作し,参観日で発表することとした。特に,重
点をおいたのは,「どんな画像を撮るか」と「どんなメッセージを考
えるか」ということである。期待できる効果/ICT活用のねらい
① CMの工夫を捉える ○ 実際のCMを視聴し,「短い時間で伝えたいことをきちんと伝え る」ためには,「的確な言葉」「映像にあった言葉」「心に残る言 葉」を使うことが大事であることを考える場を設け,学習活動の 導入した。ゴールのイメージとポイントを整理することができた。 ② 40秒程度のCM,3枚の写真で表現する |
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○ 時間と写真の枚数を制限することで,自分の思いをどこに焦点 化するかを明確にできると考えた。ただ,品物を撮影するだけで なく,保護者との思い出は何であり,それがどこに現れているの かを考えながら撮影することにつながった。 ③ 画像やメッセージの表現効果を工夫する ○ パソコンを活用することで,画像やメッセージの様々な表現方 法ができることを知る。さらに,何度も繰り返し効果を確認しな がら活動を進めることができる。その中で,自分の思いが伝わる 表現効果を工夫しながら学習を実施できる。 |
評価/振り返り
最後の参観日で,クリップビデオの発表会を行った。発表会では,
ビデオ発表の前に作品に関する思いを話して視聴した。中には,思
いが高まり泣きながら話をする児童や自分の子どもの作品に涙する
保護者も見られた。参観日後の保護者の感想の中には,「普段言葉で
は言わないが,考えていることがわかりうれしかった」「他の子ども
たちの作品には本当に感動した」「親子で思い出の品物を通して小学
校生活を振り返った」などがあった。実践後の児童へのアンケート結
果では,自分の気持ちが上手に伝えられたと答えた児童が75%,
作成した作品に満足していると答えた児童が90%であった。学習
を通して概ね満足した結果であったと思う。特に,十分でないと思
っている児童を抽出してみると,上位の児童が多く,作品作成を通
して「よりよいものにしたい」「もっと言葉を上手に使いたい」という
思いが高まったと思われる。また,何が難しかったかという問いに
は「メッセージを考えること(短い言葉にまとめること)」が一番多
く,次いで「写真の撮り方」であった。デジタルカメラやパソコン操
作について,難しかったと答える児童はほとんどいなかった。児童
にとって,機械操作はそれほど大きな問題ではなく,やはり日頃の
学習で培った力が生きるということが,実感できるものであった。
児童の作品を振り返ってみると,3枚の画像に付けるメッセージは
「はじめ→中→終わり」という流れを意識しものになっていた。また,
3枚の画像も「アップとルーズ」や「角度を変えた取り方」の工夫を行
っていた。伝える活動において,一番大事なものは「思い」である。
今回,児童が「保護者への思い」をしっかりと持って活動に取り組め
た。「思い」を十分に持てる学習活動を計画・実践することで児童の
表現力は向上する。