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指導先生 学校の授業にてICTを活用し、21世紀型スキルを育むような 先駆的授業をされている先生方の事例をご紹介します。

児童の理解力・想像力を高める教師用デジタル教科書の活用

都道府県 愛媛県
学校名 松山市立八坂小学校
先生氏名 石田年保
教科 国語
学年 小学4年

活用したICT技術

デジタル教材 、 電子黒板

授業活動の概要

授業の概要

 教科    国語

単元名   「伝え合う」ということ(光村図書)   

 指導計画  16時間(本時その1)

  実施学年  第4学年

  実施時期  9月上旬   実施場所  普通教室

使用したICT機器  電子黒板 デジタル教科書(光村図書)

本単元のねらい及び授業の概要について

   本単元は、指導要領の指導内容A「話すこと・聞くこと」を主なねらいとしている。本授業は本単元の第1時(単元の導入)にあたり、単元全体を通した児童の学習課題および学習意欲をもたせることをねらいとした。

実際の授業の様子

  本授業は、生活で使われている「伝え合う」方法について考えさせ、「手と心で読む」とはどいうことかを予想させながら、点字に対する興味関心を高めていった。

その後、本物の点字に実際に触れ、手で読むことの難しさを体感させた後、どうやって読んでいるのかを確認するために、デジタル教科書の動画クリップ「点字を読んでいる様子」を児童に見せた。児童は、自分たちの想像とは違い、目で読むのと変わらないスピードで点字を読み取っていく姿を見て、大変驚いていた。

また、映像から右手と左手の指の使い方やどうやってその技能を習得したのかなどにも興味をもち、資料「手と心で読む」にはどのようなことが書かれているのかという教材文の内容に興味が高まった。

電子黒板で、教科書の「手と心で読む」の本文を拡大表示し、教師が読み聞かせを行った。教科書の挿絵を拡大表示したり、重要語句にラインを引いたりして児童がイメージを広げたり、内容の理解が深められたりするようにした。特に挿絵から児童は自分の生活を振り返り、生活の中での点字の使われ方に関して多くの意見を交流することができた。「児童の感想」にも見られるように、多くの児童が点字を使う人に対しても目を向け、自分と点字の関わりについて考えることができていた。 

(児童の感想)

私が、この本を読んで思ったことは、「自分のことを人に伝えたい。」という意しがすごいと思いました。自分は目の見えない世界に入ってしまったけど、頑張れば大丈ぶという気持ちが伝わってきました。点字は目の不自由な人のためのやくめをはたしてるんだな、と思いました。目は見えなくても、点字で自分のことを伝えられるのが、今の自分たちと違うことが分かりました。目の不自由な人は、すごい力をもっているんだなぁと思いました。

期待できる効果/ICT活用のねらい

本授業では大きく以下の2つの効果を期待し、デジタル教科書を使用した。

ア 点字に対するイメージをふくらませ、本単元および資料「手と心で読む」に対する興味関心を高めるための動画クリップの活用

イ 教材文の読み取りの効果を高めるための教材文や挿絵等の拡大提示

評価/振り返り

「デジタル教科書」には、単元に連動する動画や静止画等の教材が充実しており、前述したねらいを達成するために必要なコンテンツを、指導意図に沿って取捨選択肢ながら活用をすることができた。そのため、デジタルコンテンツによって、生活経験を想起させたり、体験した感動を大きくさせたりすることができ、従来の授業と比べ、児童の学習に対する期待感や関心を高めることができたと考える。

 また、ディスプレイに教科書本文を拡大提示することにより、話題が明確になり、従来の授業スタイルと比べ、児童の意識を一つに集めることができた。この点も、教材文だけの読み取りと比べて、教材文のイメージをより広げることができた要因になったと考える。

本単元を実施し終えての感想に「国語が好きになった。」という児童の記述があった。これまで国語にあまり興味を示さなかった児童ではあるが、デジタルコンテンツを教科のねらいにそって、有効に活用していくことによって、より分かる授業が展開でき、児童の学習に対する意欲を高めることができたという手応えを感じることができた。

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