大太町見聞録 史跡のガイドマップを作ろう
都道府県 | 香川県 | ||
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学校名 | 高松市立木太小学校 | ||
先生氏名 | 三崎孝行 | ||
教科 | 総合学習 | ||
学年 | 小学2年 、 小学3年 |
活用したICT技術
授業活動の概要
本学級は,男子15人,女子17人,計32人のクラスである。2年生の生活科では, 木太町の主な店舗や施設の見学に出かけ,町のよさに気付く活動を行っている。また, 3年生の社会科では,校舎の屋上から町を眺め,町の特徴をつかんだり,町の様子を 絵地図に表す活動を行ったりしている。このような活動を通して,児童は,自分たち の暮らす町の特色や,主な産業についての認識を深めていくことができたが,木太町 の歴史については全く未知の領域であった。町に多数点在する史跡には,その存在に 気付いてはいたものの,その歴史的価値については,家族からもほとんど聞いたこと がないという状況であった。 そこで,この学習をスタートさせるに当たって,史跡についてのオリエンテーショ ンを行った。3年生になったばかりの児童にとって,歴史的な内容の話は理解するこ とが難しいように危惧されたが,実際は,初めて聞く話に興味津々で聞き入り,これ から調べていくことへの意欲が高まり,地域の歴史を理解し,郷土に対する愛着を深 められる価値ある学習活動へのスタートを切ることができた。 学習の第一次段階では,地域に残る史跡を実際に訪れ,実際に目で見て発見したこ とや教師の解説,紹介している看板から得た情報をワークシートにまとめる活動を行 った。 次に児童は,これら調べた内容をコンピュータを活用して表現していく活動に取り 組んでだ。ここでは,情報活用能力が必要とされるが,これには個人差が大きいと予 測され,家庭でのコンピュータの使用状況についてのアンケートを実施した。アンケ ートの結果を見ると,コンピュータが児童の身近なものとして家庭でも使用されており,その使用内容も多岐にわたっている。気になる事項として,自分だけでコンピュ ータを使うことのできる児童が10人もいるのに対して,使うときの約束を見ると, 全く安心していられない状況であることもうかがえる。情報通信機器を身近なツールとして今後ますます使用していくであろうことが予想できる現状である今の子どもた ちにとって,情報モラル教育の必要性も強く感じられる。 本学習においては,ジャストスマイル3にプラグ・インされている「はっぴょう名 人」というソフトを使用し,1つのページに1つの史跡を「タイトル」「画像」「説明 文」という表現方法に統一している。児童は,このソフトを上手に使い,ページを作 成することができている。しかし,内容面では十分なものとはなっていないため,新 たな資料を活用して一層充実させていく必要がある。調べるための素材としては,イ ンターネットの情報を活用していく方法を考えた。本学習においては,インターネッ トの活用や情報モラル教育に重点を置き,学習活動を展開していきたい。 |
期待できる効果/ICT活用のねらい
本単元を指導することによって,「情報活用の実践力」や「情報モラル」を身に付け させることのできる学習活動を展開することが可能となると考えた。 香小研高松支部メディア教育部会においては,数年前から情報モラルに関する内容 を研究内容の柱として取り扱い,これに関わる授業が提案されてきている。また,市 販ソフトにおいても情報モラル関連の内容が充実してきてはいるものの,そのほとん どは情報の影の部分を扱っており,「○○に注意しましょう」「○○しないようにしま しょう」「○○には気をつけましょう」といったものがほとんどであった。小学校高学 年の児童には適当な内容であるかもしれないが,果たして3年生の児童に対しては適 切だろうかと考えさせられた。前述のアンケートからも情報モラル教育の必要性は感 じられるが,まさに情報通信機器を活用していこうとする入口に立つ児童に対しては, もっと光の部分に焦点を当てた指導が必要ではないだろうか。「情報を活用すると知識 の幅が広がるんだ。」「正しい情報を身に付ければ,自信をもって発信できるんだ。」「イ ンターネットって便利なツールなんだ。」といった感覚を養うことが大切である。その ためには,教師が正しい情報,児童が必要としている情報を適切に与えることで,情 報に対する信頼感が養われ,積極的に活用していこうとする態度が育つと考えた。 本時の学習活動においては,児童がまとめたページに情報を付け足して,さらに詳 しくしていく活動を計画した。そのための情報源としては,インターネットのサイト から児童に分かりやすい内容や表現に書き換えた教師作成のバーチャルなインターネ ット環境を提供し,そこから自分に適した情報を選び,自分のページに付け加えさせ る活動を行う。このようにバーチャルなインターネット環境の中で学習に取り組ませ ることのねらいは,児童の発達段階や実態を考慮したことと,ネット迷子を出さない ように配慮したためである。 思考力・表現力の向上(情報とかかわり合う力・友だちの表現方法とかかわり合う 力) <情報とかかわり合う力> 児童の実態としては,インターネットを学校の学習活動の場で使用することは初めての経験である。また,アンケート結果からも,家庭においてもインターネットを使 用して調べ学習に活用したことのない児童も見られる。そこで,バーチャルなインタ ーネット環境のもとで情報を収集する活動を行うことで,提示される情報と真剣に向き合い,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理する能力が必要とされてくる。 このように情報と関わる活動を通して,情報活用の実践力を高めていきたい。 <友だちの表現方法とかかわり合う力> コンピュータを使用して表現物を作成することに抵抗感を感じなくなってきてはい るものの,操作技能においては個人差が見られ,自分の思うように操作・表現すること ができない児童も見られる。そこで,6つのグループを編成し,それぞれのグループ には操作・表現することに自信のある 児童を1~2人配置した。そして,学習活動 全体を通して,リーダー役になる児童が困っている児童に率先してかかわり,グルー プみんなで協力して作品を作り上げていけるように配慮した。また,本時の学習の交 流場面においては,互いに付け足した情報の効果について認め,称賛し合う活動を取 り入れることで,活動の成果に対する成就感を感じ,ともに活動しているグループへ の帰属意識が高められるよう指導や支援を繰り返し行っていきたい。 |
評価/振り返り
インターネットを活用して必要な情報を収集し,正確に発信することの大切さに気
付き,情報活用の実践力や情報モラルの基礎を身に付けるとともに,友だちの表現し
たものと積極的に関わりながら,木太町見聞録ガイドマップを作成することができた。