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勉強会デジタル教科書教材協議会(DiTT)では、有識者による勉強会を毎月開催しています。開催内容を一部ご紹介します。

2016年04月28日開催 

第69回 DiTT勉強会のご報告-斉藤常治氏・野本竜哉氏-

2016年4月28日、赤坂シュビアホワイエルームにて、第69回デジタル教科書教材協議会勉強会を開催いたしました。今回は斉藤 常治氏(学びing株式会社 代表取締役社長)と、野本 竜哉氏(KDDI株式会社 ビジネスIoT推進本部 ビジネスIoT企画部 課長補佐)にご登壇頂きました。斉藤 常治氏には、「コモディティ化する機械学習技術」というテーマで、野本 竜哉氏には「KDDI×教育ICT 最新の取得事例について」というテーマでお話を頂きました。
以下は、発言要旨となります。

-斉藤 常治氏 ご講演要旨-

学びing株式会社は無料で遊べるクイズサイト「けんてーごっこ」(http://kentei.cc/)のサイト立ち上げを皮切りに新しいことに取り組み続けている。今も「けんてーごっこ」は存在していて、特徴は人間が投稿するタイプのサイトでその中で自動的に機械がクイズを自動作成するという仕組みだと語られた。その自動作成の技術で特許を取得している。その頃から機械学習やAI、自然言語処理という技術に入り込んでいったと講演の冒頭に述べられた。
その上、近年注目を浴びているAIを社会の注目度をまじえ考察されながら、改めてこのバズワードに関して強調された。教育業界のこれらの技術の注目またはITが普及する過程において、教育業界はサービス業とうたっていいのではないかそして正々堂々とビジネスをやっていってもいいのではないかと述べられた。また機械学習の特徴を深掘りする意味でその種類を、認識、判定・検出、予測、分類のような知的作業をさせる「機械学習」と人間(=教師)を模倣する「教師あり機械学習」、機械的に何かを見つけ出す「教師なし機械学習」に分けその事例を入れながらご説明頂いた。
次にAIを現実世界で使う場合の課題として、「穴埋め択一問題自動生成」「投稿や社内外文書のチェック」「アンケートの自由記述回答分析」「記述問題自動採点」というAIや人工知能使ったが本格的な導入に至らなかった失敗例として四つ挙げられ、それらの原因を説明された。その例として機械だけで完全には判別出来ない、機械がやったものに人間が信頼を持てない、人間での常識が機械では常識と区別されない、これらが原因として挙がると述べられた。それに加えAIは万能でないと続けた。それはくわせるデータや教える人によってバイアスがかかってしまうものであり、設計者の思想で左右されてしまうものでもある。そのためAIは無機質でも中立でもないことをAIの利便性と同時にそれに伴う落とし穴も強調されつつ、そこを見定めていく必要があると最後に語られた。

-野本 竜哉氏 ご講演要旨-

2015年8月に、KDDIはZ会と栄光グループと業務提携をし、連携して教育のICT化を推進している。そこでお互いの強みを生かし、先生・生徒・保護者の方々に安心で安全な環境を提供し、教育に専念できる環境作りを提案している。
提携した最大の強みは教室の中からクラウドまですべて対応でき、KDDIの本業である高速通信可能な回線や、強力なセキュリティーサービスを一括提供でき、また、KDDI研究所の技術を活用した教育に役立つアプリケーションやシステムをまとめて提供することも出来る。安全面でも遠隔でタブレットを制御するMDMとの強力連携により、緊急時の通信停止をヘルプデスクに依頼することもできる。例えばもし端末をなくしても探しやすくなったり、アプリの更新をするときに利用したりすることもでき安全面の強化になる。
また近年、学校でのタブレット導入増加に伴う課題の1つとしてフィルタリングがある。それに関してお話しを頂いた。学校や教育委員会は学内にウェブフィルタリングを導入しているが、家庭のwi-fiや個人のスマホのテザリングはウェブフィルタリングを通過しないことが多い、そこで自宅に持ち帰ったタブレットに支障がでてくるのでその解決策として通信が学校を必ず通過するように、タブレットの通信をリモートアクセスで学校経由にし学校や教育委員会のウェブフィルタリングを学校外で適用し、安全面の確保の充実を図るように考えた。
今後KDDIが目指していきたいことは生徒児童一人ひとりの「成長」をICTで支えたいと考えている。そこでさまざまな領域の教育の1つで生徒に「ケータイ教室」としてリテラシー教育を最新の事例を取り入れ無償で実施している。


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